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Home脱臼・骨折別特徴等

脱臼・骨折別特徴等


A 顎関節脱臼
B 肩関節脱臼
C 鎖骨骨折
D 肩鎖関節脱臼
E 上腕骨近位端部骨折
A) 上腕骨外科頚骨折外転型について
B) 上腕骨外科頚骨折内転型について
F 上腕骨課上骨折
G 肘関節脱臼
H 肩部の軟部損傷@(腱板損傷)
I 肩部軟部損傷A(上腕二頭筋長頭腱損傷)
J 橈骨下端部骨折
A) コーレス骨折について
B) 前腕両骨骨幹部骨折
K 膝蓋骨脱臼
L 大腿部軟部損傷@
M 大腿部軟部損傷A
N 膝関節損傷
O A) 下退部軟部損傷@(アキレス腱損傷)
B) 下腿部軟部損傷A(下腿三頭筋肉離れ)


A 顎関節脱臼

特徴
1、顎関節は、正常な開口運動時にも不全脱臼型を呈する
顎関節が回転運動と同時に外側翼突筋の牽引で前方に移動
2、関節包を破ることなく脱臼する
関節包は外側靱帯と伴に緩く伸張するため
3、比較的女子に多い
解剖学的に女子の方が関節窩が浅いため
4、前方に脱臼することが多い
顎関節は関節円板により、一種の楕円関節をつくり,側頭骨に対し 前方に移動するため
5、習慣性脱臼や反復性脱臼になりやすい
分類
1、前方脱臼(両側脱臼、片側脱臼)
2、後方脱臼
3、側方脱臼
発生機序
極度の開口時(欠伸、嘔吐、抜歯開口時など)に発生
希に下顎前方からの外力で発生
関節頭が関節結節を超え、前方に転移し、咬筋・外側靱帯・ 外側翼突筋の牽引により固定される
患者の肢位
1、下顎歯列は、上顎歯列の前方に移動する
2、片側脱臼の時は頤部は健側に偏る
症状
1、発語障害
2、閉口・咀嚼不能
3、下顎歯列は上顎歯列の前方に転移
4、耳の前の陥凹部に関節窩を触れ、関節頭は頬骨弓下に触れる
5、弾発性固定
6、頬は扁平となり関節窩は空虚となる
7、片側脱臼の場合は、頤部は健側に偏る
鑑別診断
1、下顎関節突起骨折(下顎骨頭骨折)との鑑別
2、片側脱臼の場合の鑑別
@動揺関節
  A顔面神経麻痺・三叉神経麻痺
B骨折:頤部が患側に偏る。脱臼:頤部が健側に偏る
3、後方脱臼は骨折を伴いやすい
整復前の注意事項
付き添いの人がいれば受傷機転をよく聞く
  下顎前方からの打撃によるものでは、下顎骨に骨折や不全骨折の ある場合が多い
骨折をしていないことを確認する
整復時には鼻呼吸・緩除な口呼吸を指示する
筋緊張を緩和するため
固定法
固定法:投石帯・十字帯
固定肢位:大きく開口する関節運動を制限
固定期間:2週間

B 肩関節脱臼
特徴
・発生頻度が高い
・成人に発生して小児に発生することはまれ
・習慣性脱臼や反復性脱臼に陥りやすい
発生頻度の高い理由
@上腕骨頭に対して関節窩が極端に小さく浅い
A広い可動域を持つ
B関節包や補強靱帯が緩い
C関節の固定を筋肉に依存している
D体表面上の突出した部分にあって外力を受けやすい
分類
@前方脱臼(烏口下・鎖骨下)
A後方脱臼(肩峰下・棘下)
B下方脱臼(腋下・関節窩下)
C上方脱臼(烏口突起上)
肩関節前方脱臼の烏口下脱臼についての質問
発生機序
直達外力:後方からの外力による
介達外力:墜落・転倒で手を衝き、肩関節に過度伸展力が働き発生
過度外転により大結節が関節窩上縁・肩峰に衝突し槓桿の支点となり 起こる
物を投げる際の自家筋力作用によって起こる
患者の肢位
頭部を患側に傾け、患側肘、前腕部を健側で支えて来院
症状
@上腕軽度30度外転・内旋し骨頭が内側に変位、肘関節は屈曲
A三角筋膨隆消失、肩峰が角状に突出、三角筋・胸筋三角は消失
B肩峰下空虚、骨頭は烏口突起下に触知(骨頭の位置異常)
C弾発性固定
合併症
@骨折:大結節骨折・関節か骨折・外科頚骨折
A神経損傷:腋下神経・筋皮神経
B血管損傷:腋下動脈損傷ーーー橈骨拍動消失
鑑別疾患
上腕骨外科頚骨折
肩関節前方烏口下脱臼
三角筋部
腫脹・陥凹
膨隆消失
骨頭
肩峰下に触知
肩峰下は空虚(骨頭の位置異常)
肩関節
運動はある程度保たれる
30度外転移で弾発性固定
軋轢音聴取
整復法
コッヘル(回転法)、ヒポクラテス(腫骨法)、クーパー(槓桿法)、シモン(振り子法)、
ドナヒュー(吊り下げ法)、モーテ(挙上法)、ゼロポジション法、
スティムソン(吊り下げ法)
固定法
固定肢位: 肩関節:軽度屈曲・内旋位
肘関節:直角屈曲位   前腕:中間位
デゾー氏包帯法
固定期間: 40歳代以降:3週間
30歳代以下:5〜6週間

C 鎖骨骨折
特徴
@幅広い年齢層に発生する
A変形治癒が多い
B偽関節はまれ
C小児では不全骨折の割合が多い
D少年期は旺盛な修復力で自家矯正される
E成人、高齢者(青壮年)では第三骨片を生じやすい
発生機序
直達外力:直接鎖骨に外力が伝わり発生。外1/3(外端部)
介達外力:転倒して肩部を強打して発生
肩関節外転位・肘関節伸展位で手掌を衝いた場合、 介達性の衝撃が鎖骨の長軸方向に作用して発生
好発部位
中外1/3境界部
転位
中枢骨片:上後方転位(胸鎖乳突筋の作用)
---胸鎖乳突筋を弛緩させ疼痛を緩和
末梢骨片:短縮転位(大小胸筋の作用)
前下方(上肢重量の作用)
外観
@頭部を患側に傾け、患側上肢を健側の手で保持
A胸鎖関節と肩峰端との距離が短縮し、肩幅が狭く見える
症状
@近位骨折端による変形(上方凸)
A骨折端を皮下に触知
B限局性圧痛・介達痛著明
C上肢の運動制限(特に肩関節外転不能)
D体動時に軋轢音
E皮下出血斑
F腫脹
   幼少時で鎖骨骨折を疑う時の特徴は?・・・両脇窩を持って抱き上げると泣く
固定法
@セイヤー絆創膏固定法
Aデゾー包帯固定法
B8字帯固定法
C厚紙副子固定法
DT字状木製固定法
Eバンド固定法
Fギブスによる固定法
Gリング固定法
固定期間:小児3週間、成人約4週間
保存療法の限界
@鋭利な第三骨片が直立して、皮膚貫通のおそれのあるもの
A粉砕骨折などで整復位保持が困難なもの
B鎖骨外1/3部の骨折で烏口鎖骨靱帯が断裂し (近位骨片が上方に浮き)骨癒合不能なもの
整復前の注意事項
合併症のチェック
@腕神経叢を損傷することがあるので、上腕の知覚異常をチェックする
A鎖骨下動脈を損傷することがあるので、橈骨動脈拍動をチェックする
B胸膜、肺尖を損傷することがあるので、血痰や気胸・血胸の症状に注意

D 肩鎖関節脱臼
特徴
@上方脱臼がほとんどで、15〜30歳に好発
A男子に多く、女子に少ない
B交通事故・スポーツで発生
C再脱臼を起こしやすいので変形治癒に注意する
分類
@上方 A下方 B後方
発生機序
@直達外力:転倒・転落時に肩峰への直達外力によって発生
A介達外力:手掌や肘を衝くなど、多くは不全脱臼
損傷の分類・・・Tossyの分類
第1度:関節包・肩鎖靱帯の部分断裂はあるが、関節の安定性は良好
第2度:関節包・肩鎖靱帯は完全断裂(不全脱臼)
鎖骨外端が肩峰に対して1/2上方へ転位
第3度:関節包・肩鎖靱帯・烏口鎖骨靱帯は完全断裂(完全脱臼)
鎖骨外端下面が肩峰上面より完全に上方に転位
患者の外観
@立位、坐位の場合は鎖骨肩峰端は非常に隆起し階段状にみえるが背伏位時 には軽度な転位にみえる
A関節部に圧痛があり、肩関節挙上、特に外転運動に制限を受ける
B突出した肩峰端を上より押すと下がり指をはなすとすぐもとの位置に戻る
→ピアノキー症状
U度もしくはV度、T度には該当しない
固定法
・絆創膏固定法(伸縮性絆創膏)←第T度の場合
第1帯の目的:上肢体が下垂しないようにするため
健側胸部(乳頭少し上方)→鎖骨外端(圧迫)→上腕後方→
肘部(引き上げる)→鎖骨外端で交叉→健側背部(正中を超える)
第2帯の目的:絆創膏の安定性を保持するため
鎖骨全体に上部から(数回)貼り付け胸部・背部でそれぞれ終わり、 次に、上腕骨幹部にも(数回)貼付する
鑑別診断:鎖骨外端骨折
肩鎖関節脱臼
鎖骨外端骨折
鎖骨外端触知
骨折端触知
階段状変形著明
腫脹強く、階段状変形の段差が不明瞭
ピアノキー症状
ピアノキー症状に類似し軋轢音触知
整復は容易
整復が困難
疼痛が強い
経時的に皮下出血斑をみる
予後
@変形治癒、階段状の突出変形を残すことが多い
A変形治癒を残すと肩こり、倦怠感、上肢への放散痛、肩の違和感などを長く残す
B陳旧性となると鎖骨外端の肥大変形や石灰沈着をみることがある

E 上腕骨近位端部骨折
分類
1、結節上骨折-----骨頭骨折、解剖頚骨折
2、結節下骨折-----外科頚骨折、大結節単独骨折、小結節単独骨折、   結節部貫通骨折
3、骨端線離開
A) 上腕骨外科頚骨折外転型について
特徴
1、高齢者に発生する
2、骨頭から結節にかけての太い部分から骨幹部に移行する部分で発生
発生機序
1、直達外力:肩を衝いて転倒のとき、又は三角筋部を強打して発生する
2、介達外力:肩関節外転位で転倒した際発生(多い)
外観
1、患側肘関節を屈曲して健側の手で肘部を保持(もしくは上肢下垂)
2、転位高度な場合:上腕短縮、上腕骨軸外転位、前内方凸変形
症状
1、上腕近位腫脹著明
2、肩関節機能障害著明
3、皮下出血斑
4、限局性圧痛
5、上腕軸圧痛
骨片転位と変形
1、骨幹軸:骨折端部は内方へ向く
2、骨片転位:前内方凸変形
近位骨片:軽度内転
遠位骨片:軽度な外転、前内上方転位
合併症
1、肩関節脱臼
2、血管損傷:腋窩動脈の圧泊損傷
3、神経損傷:腋窩神経損傷による三角筋麻痺のため肩関節外転不能
4、機能障害:肩関節の拘縮により外転・外旋制限
鑑別疾患
上腕骨外科頚骨折
肩関節前方烏口下脱臼
三角筋部
血腫(陥凹有り)
膨隆消失
骨頭
肩峰下に触知
位置異常(肩峰下空虚)
肩関節
運動はある程度
30°外転位弾発性固定
保たれる
固定肢位
肩関節外転約30°、水平屈曲30〜40°
肘関節屈曲90°
前腕回内回外中間位
固定期間
4〜5週間
整復前の注意事項:合併の有無のチェック
@腋窩動脈損傷の有無を確認(橈骨動脈の拍動を確認)
A腋窩神経損傷の有無を確認(腋窩神経分布領域の知覚異常の有無を確認)

B) 上腕骨外科頚骨折内転型について
特徴
高齢者に発生
骨頭から結節部にかけての太い部分から骨幹部に移行する部分で発生
発生機序
1)直達外力:肩を衝いて転倒のとき、又は、三角筋部を強打して発生する。
2)介達外力:肩関節内転位で転倒した際発生
症状
1)前外方凸変形となり、三角筋部は腫脹により膨隆
2)上腕は短縮し、上腕軸は内転位となる
3)上腕近位腫脹著明
4)肩関節機能障害著明
5)皮下出血斑
6)限局性圧痛
7)上腕軸圧痛
骨片転位と変形
@骨幹軸:骨折端部は外方を向く
A骨片転位:前外方凸変形
近位骨片:軽度外転、外旋位
遠位骨片:軽度内転位、前外上方転位
固定肢位
肩関節外転:70〜90°
水平屈曲:30〜40°
肘関節屈曲:90°
前腕回内回外中間位
ミッデルドルフ三角副子固定
固定期間
4〜5週間

F 上腕骨課上骨折
特徴
1、幼少年期に好発
2、治療の難しい骨折
3、肘関節周辺の骨折のうち最も頻度が高い
4、神経損傷(橈骨・正中)が多い
5、阻血性拘縮(フォルクマン拘縮)の好発部位である
分類
伸展型骨折と屈曲型骨折に分類される
発生機序
伸展型:伸展位で手を衝き、過伸展作用が強制され骨折(多い)
前方凸の屈折力
屈曲型:肘関節屈曲位で肘を衝き上腕骨下端に後方凸の屈曲力が働き骨折
骨折線・転位
骨折線 転位
伸展型 前方から後上方 末梢骨片は中枢骨片の後上方
屈曲型 後方から前上方 末梢骨片は中枢骨片の前上方
上腕骨課上骨折の伸展型について質問します
患者の肢位
患肢の前腕または肘部を健肢で保持し来院することが多い
症状
1、腫脹(肘関節部に著明)
2、疼痛(限局性圧痛、自発痛、運動痛著明)
3、機能障害(自動運動不能、屈伸運動障害)
4、変形
5、皮下出血斑
6、異常可動性
7、肘関節の厚さと幅の増大
8、神経損傷
整復前の注意点
1、骨片転位(捻転転位)
2、神経損傷
3、血管損傷
固定法
・固定肢位:肘関節:90〜100°屈曲位 前腕:回内位
・固定範囲:肩〜MP関節
・固定期間:4週間
鑑別疾患 上腕骨課上骨折、肘関節後方脱臼
骨折 脱臼
1、年齢 幼少年に多い 青壮年者に多い
2、他動運動 異常可動性 弾発性抵抗
3、ヒューター線 肘頭正常位 肘頭高位
4、疼痛 限局性圧痛 連続的脱臼痛
5、腫脹 速やかに出現 漸次出現
6、上腕長 短縮 不変
後遺症
1、阻血性拘縮
2、骨化性筋炎
3、屈伸障害
4、変形(形態的変形)

G 肘関節脱臼
分類
1、前腕両骨脱臼
 @後方脱臼 A前方脱臼 B側方脱臼 C開排脱臼
2、単独脱臼
 @橈骨脱臼 A尺骨脱臼
3、肘内障
肘関節後方脱臼について質問します
発生機序
肘関節伸展位で手掌をついて倒れたとき肘関節部に過伸展が強制されて起こる
患者の肢位
患部の動揺を防ぐため、患肢前腕部を健側の手で固定して来院する
症状
@発生と同時に激しい疼痛
A肘関節軽度屈曲位:屈曲30〜40°で弾発的に固定される
B肘関節の自動運動は不可能
C肘頭は後方に突出し、上腕三頭筋腱を索状に触れる
Dヒューター線は乱れる(肘頭高位)
E前腕は短縮して見える
F神経損傷を伴うこともある
鑑別疾患 上腕骨課上骨折伸展型
骨折 脱臼
年齢 幼少年期 青壮年者
他動運動 異常可動性 弾発性固定
ヒューター線 正常 肘頭高位
疼痛 限局性圧痛 連続的脱臼痛
腫脹 速やかに出現 漸次出現
上腕長 短縮 不変
固定法
固定肢位:肘関節直角屈曲位、前腕回内回外中間位
固定範囲:上腕骨近位端〜MP関節 手前まで副子固定
固定期間:3週間 副子固定
       1週間 吊り包帯
合併症
@骨折:上腕骨内側上課、外課、尺骨鉤上突起、橈骨頭
A神経損傷:橈骨神経、尺骨神経、正中神経
B骨化性筋炎

H 肩部の軟部損傷@(腱板損傷)
特徴
@外傷によるものと退行性変性を基盤として起こるものとがある
A棘上筋腱損傷が多い
発生機序
@肩部の打撲(直達外力)
A手や肘を衝いて、上腕骨大結節部が肩峰に衝突し起こる(介達外力)
Bオーバーユース(投球・投てき等)
C上腕長軸方向からの圧迫外力
D肩関節脱臼時に合併する
症状
@圧痛は大結節直上(三角筋部)に見られる
A肩峰下に雑音、陥凹、挙上障害などが認められる
B経時的に棘上筋・棘下筋の筋萎縮が進行する
C典型的な腱板損傷の肢位がみられる
鑑別診断
肩関節周囲炎、loose shoulder、上腕二頭筋腱脱臼
上腕二頭筋腱断裂、肩関節捻挫、肩関節打撲、肩関節拘縮など
固定
ゼロポジション位での固定
外転90°位 以上にて保持できる外転副子

I 肩部軟部損傷A(上腕二頭筋長頭腱損傷)
特徴
  壮年期(40〜50歳前後の肉体労働者)に多く、スポーツ選手の場合は若年層にも 見られる
発生機序
1)主に介達外力によって発生。直達外力によって発生するものは希である
2)超重量物の挙上、緊張した上腕二頭筋に対し突然強い伸張力が加わった際に発生する。
3)上腕二頭筋長頭腱が大きく動く肩関節の外転・外旋運動を主体に行う労働者に、 長頭腱が小結節との摩擦による変性が生じる
4)まれに青年期のスポーツマンに激しい運動の結果発生することがある。
症状
1)急性の場合
@断裂音とともに疼痛
 上肢全体に著明な機能障害(屈曲力の減退)が起こり、物を持つ、握る等の動作が困難となる。
A三角筋下の結節間溝付近に腫脹及び斑状出血が現れ、結節間溝に圧痛
B時間の経過とともに上腕二頭筋の収縮により、筋腹の膨隆は正常より末梢にみられ、正常時に筋腹が存在していた部分に陥凹を認める
2)機械的、無菌的亜急性損傷の場合
@結節間溝の疼痛、上腕二頭筋に沿って痛みが放散し、時に肘前方まで、この痛みは上腕二頭筋長頭筋腱へのストレス運動で増強する
固定
伸縮性テープと厚紙を用いた固定法
@患肢を肩関節軽度外転、肘関節屈曲90°前腕回内位で上腕部に伸縮性テープを貼付(上腕二頭筋の機能を補助)
(上腕二頭筋の起始、停止似合わせて貼る)
A膨隆部を綿花、スポンジラバー、パットなどで圧迫(筋の異常膨隆を防ぐ)
B上腕部を前後から厚紙副子で固定し包帯で固定する。(肩関節〜上腕上部)
C三角巾で堤肘

J 橈骨下端部骨折
橈骨下端部骨折の分類
@遠位端部骨折-----コーレス骨折(伸展型骨折)
スミス骨折(屈曲型骨折)
A骨端線部骨折-----骨端線離開
B辺縁部骨折------バートン骨折(背側、掌側)
    ショウファー骨折

A) コーレス骨折について
発生機序
手掌をついて転倒した際、橈骨遠位端に過度の回外が加わり発生
患者の肢位
骨折部を含め患肢手部を健側で支え、疼痛緩和肢位をとる
骨折線・転位
・骨折線: 手関節の1〜3Cm上の掌側からやや斜めに背側上方へ走る
・転位: 中枢骨片=回内
末梢骨片=背側・橈側・短縮転位(中枢骨片に騎乗)
捻転 (回外)
症状
@変形: ・フォーク背状
 背側転位が強度な時、側面でみられる
・銃剣状
 橈側転位が強度の時、正面でみられる
A腫脹: 前腕下端部〜手部にかけて高度の腫脹
B疼痛: 限局性圧痛・介達痛
C機能障害:前腕回外運動不能、物を握る・つまむ・手関節運動の障害
固定法
(固定肢位)
肘関節:直角屈曲 前腕:回内位 手関節:掌屈・軽度尺屈位
(固定範囲)
前腕上端〜MP関節 上腕上端〜MP関節
(固定期間)
4〜5週間
合併症
@尺骨茎状突起骨折
A遠位橈尺関節脱臼
B長母指伸筋腱断裂
C正中・尺骨神経損傷
D月状骨脱臼
E手根骨骨折(舟状骨骨折)
その他
@変形治療
A手関節外傷性関節炎
B成長障害
C前腕の回旋障害
D手根管症候群
ESudeck骨萎縮
F指・手・肘・肩関節の拘縮

B) 前腕両骨骨幹部骨折
特徴
@観血療法の適応
A整復位保持が困難
B保存療法は小児の骨膜下骨折・転移のない骨折・転移軽度の骨折
発生機序
直達外力:横骨折で撓尺両骨の同高位での骨折となる
介達外力:手掌を地に衝いた際の両骨長軸に作用する外力により
起こされるもので斜骨折になりやすく、撓尺両骨骨折部は撓骨が
上位にくるものが多い
定型的転位
1、円回内筋付着部より近位の骨折
近位骨片:(回外)回外筋および上腕二頭筋の作用
遠位骨片:(回内)円回内筋・方形回内筋の作用
2、円回内筋付着部より遠位の骨折
近位骨片:(回内回外中間位)回外筋および上腕二頭筋と 円回内筋との拮抗作用
遠位骨片(回内)方形回内筋
患者の肢位
患側肘関節を伸展もしくは軽度屈曲位の状態で来院することが多い
症状
@骨折部変形
A前腕部の著明な腫脹
B激しい骨折部の自発痛・圧痛・運動痛
C骨折部の異常可動性・軋轢音
D前腕部の運動(とくに回旋)不能
鑑別診断
撓骨頭脱臼・遠位撓尺関節脱臼
整復前の注意事項
循環障害の有無
尺骨遠位部での骨折は受傷時に尺骨神経が損傷されている可能性あり
固定法
金属副子固定:@前腕シーネ 手関節良肢位 前腕上端〜MP関節
  A上腕シーネ 肘関節90°屈曲位 前腕回外位
   上腕上端〜MP関節
転移高度なものの難治の理由
1、2本の骨を同時に完全整復することは困難
2、筋力による回内転移と共に両骨骨折端が接近しやすい
   →再転位の危険性
かりに固定をしたとしても
3、偽関節、遷延治癒:筋力作用での再転位
4、橋状仮骨:固定肢位や筋の作用で両骨が接近
  →結果的に前腕回旋障害を招く原因となる
5、上肢の関節可動域制限:長期固定
再転位しないように強固に固定すると
6,末梢部の循環障害
  →阻血性拘縮
後遺症
@変形治癒
A偽関節
B橋状仮骨
C遷延治癒
D前腕回旋障害
E阻血性拘縮

K 膝蓋骨脱臼
分類
1、側方脱臼(外方脱臼が多い)
2、垂直脱臼
3、水平脱臼
4、回転脱臼

側方脱臼について
特徴
@膝蓋骨の異常可動性や膝関節伸展位で外側に押し出そうとすると過度に移動する
A側方脱臼位のまま受診すれば診断は容易である
B脱臼位では、膝が軽度屈曲位のままで動かすことができず、歩行不能状態で 来院する
C多くの場合自然整復されている
D膝蓋骨の運動性が過大な場合は人為的に脱臼させることも可能である

発生機序
何らかの先天性要因や発育異常を有し、外反や下腿の外旋が加わり発生

症状
a 膝関節部の横径増大、膝蓋骨は側方に偏移する
b 大腿四頭筋は弛緩し、膝が崩れたような感じを受ける
c 膝に力を入れることができない
d 疼痛、腫脹、運動制限、膝蓋骨前面から下腿内側部にかけて圧痛がある
e 膝伸展で膝関節痛が著しい
f 膝蓋骨は大腿外側に異常隆起して触れる
g 膝部は徐々に腫脹する
h 起立することはできない

鑑別診断
1、関節血腫が著明な場合は、骨軟骨損傷に注意する
2、受傷時の肢位について十分問診する
  膝蓋骨周囲、特に内側支帯に圧痛があるか否かを詳細に検討する

転位
膝蓋骨が大腿外側上かの外側に転位する

固定
1、固定肢位・固定期間
@膝関節軽度屈曲位で固定する
A軟部組織の修復のため3〜4週間固定する
B1ヶ月程度は膝蓋骨再脱臼防止用(膝蓋骨外側に堤防状隆起を持った)   サポーターを装着する
2、固定範囲
大腿近位〜尖足

L 大腿部軟部損傷@
分類
@大腿四頭筋損傷
Aハムストリングス損傷
特徴
大腿直筋は二関節筋であるため、肉離れや筋断裂が好発
もっとも起こしやすいのは大腿直筋と中間広筋である
発生機序
大腿四頭筋に突然強力な収縮力や伸展力が加わった時に発生
臨床症状
膝崩れが起きたり、裂けたりした感じを自覚する
損傷の程度
第一度(軽度):腫脹は軽度で受傷部の直上で約1〜2Cm程度の範囲に圧を持った 広がりがある。手当をせず放置しておくと、筋緊張・腫脹・圧痛が急激に 増大する。
第二度(中等度):腫脹・筋緊張及び圧痛が第一度よりも激しい。
第三度(重度)触診により筋肉表面に陥凹部を触れる。これは、筋肉が約5〜8Cm 程度の幅で実際に断裂していることを意味する。また、受傷後24〜48時間 内に著明な皮下出血斑をみる。
治療法
RICE処置
第一度(軽度):新鮮例の初期治療は第一に出血の阻止であるためRICE処置を 積極的に行う
第二度(中等度):第一度に準ずる
第三度(重度):重傷の肉離れ(筋断裂)は手術適応となる。
急性期を過ぎると極超短波療法、ホットパックなどの温熱療法を行う

M 大腿部軟部損傷A
特徴
@ハムストリングは大腿二頭筋(外側ハムストリング)と半腱様筋・半膜様筋(内側  ハムストリング)からなる
A外側ハムストリングは、膝関節屈曲位で下腿の外旋、内側ハムストリングは  下腿の内旋にも作用する
B大部分が筋・腱移行部、すなわち大腿後面中央部での損傷
Cまれに腱が骨より剥離したり、膝関節付近において損傷することもある
発生機序
@柔軟性の欠如
A左右の筋力の相違
B不適当なウオームアップ
C筋疲労
D拮抗する筋群の相反する動きにおける不調和
E大腿四頭筋とハムストリングの筋力の不均衡
F疾走中に発生することが多い
損傷の程度
第一度(軽度):多少の不快感はあってもハムストリングスを完全に収縮させる ことができる(筋繊維、筋周膜には変化はなく、筋肉間損傷が主)
第二度(中等度):ハムストリングスを収縮させるのは困難である
(筋繊維のごく一部の損傷) 第三度(重度):受傷後24〜48時間で著明な皮下出血斑がみられ、 長時間の治療を要する(筋肉の部分断裂)
治療法
RICE処置

N 膝関節損傷
分類
@側副靱帯損傷
A十字靱帯損傷
B半月板損傷
Cその他関節内部構造の損傷

A) 膝関節軟部損傷@(側副靱帯損傷)
発生機序
内側側副靱帯:膝に外反が強制されておこる(頻度が高い)
外側側副靱帯:膝に内反が強制されておこる
症状
@圧痛・腫脹・皮下出血斑
A内・外転(内・外反)の強制時の疼痛
B内・外転(内・外反)動揺性
内・外側側副靱帯損傷重傷度の分類
T度(軽度):靱帯のごく一部の損傷、不安定性はない
U度(中度):靱帯の部分的な損傷、わずかな不安定性がある
V度(重度):靱帯の完全な断裂、著明な不安定性がある
前十字靱帯や半月板の損傷を合併していることもある
※不幸の三主徴(unhappy triad)
内側側副靱帯断裂・前十字靱帯断裂・内側半月板損傷を合併
靱帯損傷部位
近位付着部および遠位付着部に多い。中央部の損傷は少ない
治療法
T度:(固定)適切なRICE処置、包帯固定、厚紙副紙
    (期間)1〜2週間固定、固定期間中は大腿四頭筋訓練
U度:(固定)適切なRICE処置、テーピング・ギプスシーネ
    (期間)2〜3週間固定、固定期間中は大腿四頭筋訓練
V度:(固定)勧血手術が望ましい、ギプス固定
    (期間)プログラムに沿ったリハビリテーションが必要

B) 膝関節軟部損傷A(十字靱帯損傷)
前十字靱帯の方が後十字靱帯より発生頻度が高い
発生機序
1)前十字靱帯損傷
 @膝関節屈曲位で頸骨が前方へ移動を強制された際に生じる
 A膝の急激な過伸展力により発生する
2)後十字靱帯損傷−頸骨が後方への移動を強制された際に生ずる
3)前・後十字靱帯損傷−より強力な過伸展力により発生する 症状
1)前十字靱帯損傷
 @膝関節の不安定性を訴える(ガクッとする、はずれる、力が抜けるなど)
 A前方引き出し症状(drawer sign)
 B慢性期には膝くずれ現象(giving way)
2)後十字靱帯損傷
 @受傷時頸骨粗面部に外傷をみる
 A後方押し込み症状(drawer sign)
 B慢性期には階段や坂道を下りる際の不安感や、しゃがみ込んだ状態からジャンプ   できないなどを訴える
 C頸骨自重で後方に落ち込む(サグサイン)
  (仰臥位で患側足部を台にのせる。その肢位で頸骨の下方への落ち込みを認める)
治療法
 不安定性のないもの及び軽度のものについてのみギプスシーネで2〜4週間 固定する
 不安定が高度であれば観血療法を考える

C) 膝関節軟部損傷B(半月板損傷)
特徴
@若い人のスポーツ外傷として発生することが多い
A内側半月板損傷が多い
B形態異常である外側円板状半月をみる
発生機序
膝関節屈曲位で強く膝を捻った際おこる
下腿の急な回旋運動により損傷をきたす
※下腿の外旋で内側半月板、内旋で外側半月板
発生原因による分類
@外傷型(急性)交通事故・スポーツ外傷など       (慢性)膝蓋跳動
A変性型:膝の変形・加齢的変化
B形態異常:円板状半月
症状
@歩行困難
A関節運動不能
B関節内血腫(膝蓋蝶動)
C圧痛・運動痛
Dかんとん症状(locking)
E弾発症状(snapping)
治療法
 膝関節軽度屈曲位でギプスシャーレの固定4〜6週間、円板状半月でかんとん症状 をおこしている場合、整復操作で引っかかりを除去して2週間程度のテーピング、副子 で固定する

O A) 下退部軟部損傷@(アキレス腱損傷)
特徴
@ほとんどが皮下断裂
A部分断裂はまれ
B30〜40歳代に多い
Cバレーボール・バスケットボールなどの競技者に多い
病因
  基礎的状態(腱の脆弱化・変性・病的変性)があるうえに外力が加わって発生
病態
@完全断裂がほとんど
A筋腱移行部では不完全断裂
発生機序
スポーツ時に踏み込んだときや着地時などに発生
下腿三頭筋の不調和運動や足関節に急激・過度な伸展力の強制
症状
@「アキレス腱部を蹴られたような衝撃を受けた」と訴える
Aアキレス腱の緊張が低下
B陥凹を触知
C患側下肢での爪先立ち不能
D疼痛
E腫脹
F機能障害
鑑別診断
Thompson`s Simmomd`s s squeezing test

B) 下腿部軟部損傷A(下腿三頭筋肉離れ)
特徴
@筋繊維の損傷が主体
A中高年のテニス・ソフトボールなどに特徴的
B急激な発症は少ない
病因
@筋の柔軟性の低下
A罹患筋の体重あたりの筋力の低下
B筋紡錘・運動神経の異常、筋肉自体の円滑な運動を妨げる要因が関係
病態
@筋繊維の損傷が主体
A筋腱の単位が伸展されたもの
B筋繊維の部分断裂、および微細血管の断裂による内出血
C筋の重なり合った部分での筋膜の損傷
発生機序
膝屈曲位から足で蹴ってジャンプしようとしたときに発生
腓腹筋とヒラメ筋の収縮量の差から二筋間の筋膜に損傷を起こす
症状
圧痛・腫脹・皮下出血斑、ときには硬結を触知
鑑別疾患
腓腹筋内側頭の筋腱移行部で腓腹筋のみの断裂を起こす



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